更に高速化されたフレキシブルゲージング

Equator を使用した製造工程管理を行う場合に、新しい超高速タッチトリガープローブ、使いやすい形状ベースのオフセット、更新された EZ-IO ソフトウェアが利用できるようになりました。

2014 年 9 月 2 日

Equator を使用した製造工程管理を行う場合に、新しい超高速タッチトリガープローブ、使いやすい形状ベースのオフセット、更新された EZ-IO ソフトウェアが利用できるようになりました。

レニショーの Equator™ フレキシブルゲージを使用してパーツを検査する際に、パーツの製造現場においてどんなに厳しい環境でも、より多くのオプションが利用できるようになりました。レニショーでは、新しい TP20 タッチトリガープローブキット、形状比較、更新された EZ-IO ソフトウェアが搭載されたフレキシブルゲージングを更に高速化し、セットアップを簡素化すると共に、簡単にオートメーションができるようにしました。

Equator ゲージは、既に世界中の数百社のメーカーによって、手動式のシステムやフルオートメーションセルで高速のフレキシブルゲージングを行うために活用されています。Equator を使用すると、エンジニアは設計変更に伴うプログラム変更を行い、オペレーターは、着脱式の取り付けプレートと使いやすい Organiser ソフトウェアにより異なるパーツの交換を数秒で行う柔軟性が得られます。

柔軟性、高速スキャン、低価格、低ランニングコスト（Equator は定期的な再校正が不要）を兼ね備えた Equator は、メーカーの皆様からその利点を高くご評価いただいています。システムは、これらの利点に加えて、環境変化の影響を補正する独自の能力を備えているため、あらゆる産業において真っ先に選択されるゲージになっています。

あらゆるアプリケーションのサイクル時間を短縮

現在では、Equator 上で超高速 TP20 タッチトリガープローブを高速スキャンの SP25 スキャニングプローブと組み合わせて使用できるようになりました。
TP20 は離散点データを高速取得するために使用でき、軽量構造の Equator によりサイクル時間を短縮して、シンプルなタッチポイント測定で高い繰返し精度を確保することができます。タッチトリガーキットには、業界標準の頑丈な TP20 モジュールに加え、新シリーズのエクステンションバーとジョイントが含まれています。

このシステムでは、統合されたチェンジラックを使用して自動的に SP25 スキャニングモジュールに切り替えて、様々な組み合わせの測定ルーチンを行うことができます。SP25 を使用すると、例えば形状フォームなどの情報が求められる場合に、最大 200mm/s のスキャン速度で継続的な形状スキャンを行って多くのデータを収集することができます。
更に、シングルポイントエアゲージや LVDT を使用したカスタムハードゲージングシステムでインラインゲージングを行う代わりの手段として、Equator に TP20 を使用して実施することもできます。Equator によるフレキシブルゲージングの利点は、複雑なカスタムゲージを必要としなくても、単に追加データポイントを取得することで、パーツの形状を計算できることです。

形状比較

Equator は製造現場の温度変化に対応するためにマスタリングの原理を使用しています。現在では、新しい形状比較機能によって、マスターパーツのキャリブレーションプロセスが大幅に簡素化されました。

マスターパーツには高額なパーツやカスタムメイドのパーツを使用する必要はなく、単に製造パーツを取り出して測定することができます。マスターパーツの測定には、温度制御した環境で校正済みの三次元測定機（CMM）を使用するなど、いくつかの方法があります。マスターパーツを測定することで、CAD や設計図の公称値からの偏差を確認します。

形状比較を使用することで、ユーザーは簡単にマスターパーツの測定データを測定し、各形状のサイズ、位置、または配置に対する補正値を入力することができます。シンプルで独特な形状比較インターフェースは、極めて簡単にデータ入力が行えるように設計されています。

プロセスモニタが搭載された EZ-IO オートメーションソフトウェア

EZ-IO ソフトウェアは、システムインテグレータが簡単に自動化製造セルをセットアップして、Equator システムとセルの制御装置の間の通信を構成できるようになっています。これにより、自動再マスタリング（Equator で製造現場の温度変化が検出された場合にロボットやシャトルシステムでマスターパーツをロードする機能）などの、インテリジェントな機能を実施することができます。
現在は、EZ-IO にプロセスモニタ表示が組み込まれています。プロセスモニタでは、チャートに形状測定履歴データを表示すると共に、わかりやすいグラフィック表示に各形状に対する割合を示します。さらに、温度、時間、測定パーツ数に応じて、マスタリングプロセスを管理することもできます。パーツの履歴検査データの確認機能は、製造プロセスを制御する上で非常に貴重な機能になります。

ターンキー方式の設置

2011 年の Equator ゲージングシステムの発売以来、多くのお客様には、レニショーとパートナー企業がお届けするターンキープログラミングサービスをご利用いただいています。レニショーの経験豊富なエンジニアは、お客様と密接に連係しながら、Equator システム上で各種パーツのゲージングを実施するためのプログラムを MODUS™ ソフトウェアで開発します。

世界的なサポート体制

現代のメーカー各社は国際的な製造体制を築いていますが、レニショーはこのような特質を反映して、Equator のお客様のために広範な Equator サポートエンジニアネットワークを整備しています。また、一つの国や地域で始動したプロジェクトも、簡単に複数の拠点に移管して各地でサポートを提供することも可能です。レニショーでは、現在 70 拠点以上にサポートオフィスを置くと共に、複数の認定パートナーすることで世界中のすべての先進地域をカバーしています。

Equator の動作原理

Equator は従来の専用計測装置に替わる画期的な製品で、これまで一度も目を向けられなかったニッチ市場に取り組みます。特許であるユニークな構造・低コスト設計・独特のコンセプトにより、量産品の検査で高速な比較計測が可能となります。Equator は軽量・高速で繰返し精度の高い、オペレーターが「押しボタン」を押すだけの簡単操作のゲージングシステムです。Equator は数秒で部品を交換できるので、フレキシブルな製造プロセスや複数の機械からの部品の計測に万全に対応します。

現場において環境温度が変化しても、再マスタリングにより直ちに補正することができ、生産パーツの測定と同じくらいに迅速に実施することができます。Equator は温度の変動が大きい工場内での使用が可能です。マスターを再度測定するだけでシステムが「再リセット」され、マスター部品を基準とした繰返し精度の高い比較計測をすることができるようになります。

キャリブレーション済み三次元測定機に対するトレーサビリティ

事実上、三次元測定機やその他の装置（高精度を実現するために離れた場所にある温度制御された部屋に置かれることが多い）の絶対精度を現場に反映し、Equator の計測結果に対するトレーサビリティを提供することができます。マスターパーツのキャリブレーションデータを Equator ソフトウェアにロードすれば、Equator システムで行った測定を CAD や図面の設計値とチェックすることができます。

Equator のプログラムは、レニショーの立証された総合的な MODUS プログラミングソフトウェアで作成と変更を行うことができます。その後、現場のスタッフは、操作トレーニングがほとんど不要で、直感的に使用できる Organiser ソフトウェアを使用してプログラムの選択と実行を簡単に行うことができます。Organiser ソフトウェアでは、単純な合否メッセージ、完全な検査レポート、プロセスモニタウィンドウでの表示といういずれかの方法でゲージング結果を確認することができます。

低コストの治具

専用計測装置と比べて、Equator は治具コストを大幅に削減します。マスターとなるパーツの計測位置から 1 ミリ以内にパーツを置いた治具を使用することで、検査結果に影響を及ぼすことを回避し、高価な精密治具が不要になります。
ユーザーは、加工作業中に使用した治具に取り付けられたままのパーツを数秒間でロードすることができます。また、Equator 取り付けプレートは他のプレートと簡単に交換することができ、これらのプレートは、繰返し精度の高い三点支持機構を使用してEquator ベースに取り付けられます。更に、これらのプレートを取り付けプレートスペーサと交換して、それぞれの取り付けプレートに配置された小型パーツを測定領域内で計測することができます。

汎用ゲージ

Equator は構造やユニークなコンセプトにより、既に数多くの生産エンジニアの考え方に変化をもたらし、新しい計測システムとして選択されるようになっています。高い汎用性と繰返し精度を兼ね備えた Equator は、計測の世界を変えつつありますが、これらの新しい製品オプションにより世界中のメーカー各社により多くの利点を提供しています。

Equator によるゲージングの詳細については、www.renishaw.jp/gauging をご覧ください。

全文書内容およびイメージの著作権：Renishaw plc

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