工具計測技術
切削工具の幾何形状や現在の状態を検出
工具計測技術
工具計測とは、工具計測装置と専用ソフトウェアを使用して、切削工具の工具長、半径、直径など工具形状に関するデータを求めるプロセスです。工具の R 部や直線部の形状や切れ刃の状態を確認できる工具計測技術もあります。また、工具折損検出は、工具計測システムと専用工具折損検出装置によって実行できます。工具計測および工具折損検出を使用することで、工作機械の無人操業が可能となります。
工具計測製品は、採用されている技術に応じて「接触式」または「非接触式」に分かれます。
接触式ツールセッター
接触式工具計測システムでは、工具計測装置と計測対象の工具が物理的に接触する必要があります。さらに、「プランジャ」タイプ、「プローブ」タイプや (ターニングセンターで使用する) 工具計測アームに分けられます。
メリット
- 繰り返し精度と工具の形状計測精度
- 過酷な加工環境に耐えうる堅牢性
- 優れた費用対効果
- 複数の主軸の向きで計測可能
- オプチカル信号伝達式に対応
- 工具長だけでなく回転工具の直径も計測可能
注意点
- 超小径工具では振れが起こる可能性があります。
- 複雑な切れ刃は計測できません。
- テーブルに取り付けるのが一般的です。
非接触式ツールセッター
非接触式工具計測システムでは、レーザービームを使用して、工具の有無を検出します。種類としては、送光ユニットと受光ユニットが 1 個の筐体内に収められている「フィックスド」システムと、送光ユニットとが別々の「セパレート」システムがあります。
また、非接触式工具計測システムは、工具の切れ刃の折損や欠損を検出することもできます。
メリット
- 超小径工具の振れが起こりません。
- 速い主軸速度で計測します。
- 光学部品が完璧に保護されています。
- 切れ刃チェックにより、ねじれ溝やインサートの欠損を検出します。
- 複数ポイントで計測可能です。
注意点
- 一般的に、接触式システムよりも高価です。
- クリーンエアの供給が必要など、取付けが比較的複雑です。
- 過酷な環境や切りくずにより、光学センサーに付随する問題や計測エラーが発生する場合があります。
- 固定工具には適しません。
ToolWise™ 工具認識システム (工具折損検出)
工具折損検出とは、工具の R 部および直線部の形状および切れ刃の状態など、工具の状態を求めるプロセスです。大半の工具計測装置や、専用工具検出システムで、その機能の一部として実行できます。
性能
- 独自の ToolWise™ パターン認識機能により、超高速で工具検出
- 幅広い工具回転速度 (200rev/min~5000rev/min) で動作可能
- 工作機械の加工エリアの外側に取り付けられるため、セットアップが簡単
工具計測技術の詳細については、参考文献を参照してください。