ヒントは指先の痕に - 指紋内の微量物質の同定
2020 年 3 月 26 日
思考に先立ち、まずは触れたものを見るという時代に、物体の表面を分析して微量物質を検出できることは、特に重要です。それは、私たちが日常的に、何も考えず、時には無意識に行っている行為であるにもかかわらず、その影響は甚大です。
その一例が、指紋に含まれる微量物質です。そこでは、現代の化学分析の実力が遺憾なく発揮されます。指紋に含まれる詳細な生物化学情報は、inVia™ コンフォーカルラマンマイクロスコープを使用して数秒で収集されます。しかし、特に法医学会では、指紋の中に隠れている化学物質への関心のほうが、もしかしたら大きいかもしれません。
inVia ラマンマイクロスコープには、実に多様な機能と技術が組み込まれており、缶のような複雑な物体を見るのに最適なシステムです。指紋内の異物を偏光または暗視野法で見るための、高度に標的化した分析が可能です。しかし指紋には、目視できる以上の情報が存在します。化学成分を明らかにするには、指紋を高感度かつ特異的にスキャンする必要があります。
分析の結果、缶を扱う前に、パラセタモール (アセトアミノフェン) 薬錠を手にとっていたことが判明しました (そういえば、頭痛薬を飲むためにソーダを一気飲みしていました)。この事例では、15µm 前後の粒子の存在が明らかになっているため、存在し得る物質をまったく予想できなくても同定が可能です。
InVia ケミカルイメージングを材料や問題に応用する方法を知りたい方は、お気軽にお尋ねください。
執筆者について
Tim Smith, Applications Manager
Tim は、各種ラマン研究機器の使用経験が 20 年を超えており、ほとんどの応用分野で、システムに関する豊富な知識と実使用経験がありますが、特にラマンイメージングと製薬分野に精通しています。
2007 年には、StreamLine イメージングを高解像度化学イメージングに大規模に応用するプロジェクトを主導しました。最近では、材料のライブフォーカストラッキングと、化学的および形態学的な相関イメージングに力を入れています。