MCG システム
三次元測定機の空間精度をモニタするためのマシンチェックゲージ (MCG)
大半の三次元測定機は、一般的に OEM か独立校正機関による年次サービスと再校正の対象となっています。この際、ISO、ASME、VDI/VDE などの広く認知された規格に定義された手順でテストを実施します。このようなテストでは、両端に球が付いた長さが一定のバーやステップゲージ、レーザー測定システム (レニショー XL80 レーザーシステムなど) を使用する必要があります。テスト後、測定データを基に三次元測定機コントローラの電子エラーマップを修正し、精度仕様の準拠範囲に復元します。このような周知の手順は、不可欠である一方で、時間と費用がかかります。
多くのエンドユーザーからは、上記のようなテストとテストの間に定期的に行ったり、衝突が起こった後に行ったりする精度チェックの方法として、もっとシンプルな手段が求められています。レニショーの MCG であれば、ISO10360-2 に準拠した空間精度の暫定的な検証を、10~20 分 (平均) で実施できます。その結果に基づいて、三次元測定機での測定が正確かどうかを判断し、必要な場合には整備または再校正に移行します。プロセス自体は短時間で行えるため、費用対効果に優れます。また、さまざまな高さのピラーや長さのアームに対応しているため、どんなサイズの三次元測定機でも空間精度をチェックできます。
ゲージ | 説明 | 適応する三次元測定機 | トータルのゲージ誤差 | アームサイズ | 最大サイズ |
MCG1 | スモールチェックゲージキット | 最大 1m³ | ±0.5µm | 最長 380mm | X 537 Z 537 |
MCG2 | 総合チェックゲージキット | 1m³ | ±0.5µm | 最長 685mm | X 986 Z 986 |
MCG ツールの分析用表計算機能
MCG ツールの表計算機能では、DMIS 計測ソフトウェアで実行できるパートプログラムの作成をすべて行えます。
その後、パートプログラムを実行して得られた結果を MCG ツールにインポートして、三次元測定機の各測定特性を出力できます。これらの結果には、2 点間の最大エラーの相関関係が示され、三次元測定機の空間精度が判定されます。
三次元測定機の空間精度は経時変化するため、MCG ツールの表計算結果を維持し、履歴情報から傾向を分析することで、このような変化の見極めができます。
MCG および MCG ツールは、校正ツールではなく、豊富な機能を備えたレポートツールです。三次元測定機の現在の状態に関するレポートを作成し、問題が発生する前に予防メンテナンスを実施できることが、これらの製品の最大の利点です。
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