QUANTiC™ インクリメンタルエンコーダシステム with RTLC40 リニアスケール
機能
- 動作時の取付け高さ公差±0.3mm
- デジタル出力とアナログ出力をラインナップ
- リードヘッドサイズ: 35×13.5×10mm
- 最高分解能 50nm
- 最高速度 24m/s
- 汚れに対する優れた耐性
- IN-TRAC™ オプティカルリファレンスマーク
メリット
- 簡単取付け
- インターフェース別途不要
- 高度診断ツールに対応
- テープスケールやガイド式のスケールと使用可能
QUANTiC とは
QUANTiC は、デジタル出力タイプとアナログ出力タイプの両方をラインナップしたオープンタイプ光学式インクリメンタルエンコーダです。高精度、高速性能、簡単取付けといった特徴を備えています。取付け中や現場での診断およびトラブルシューティングにおいては、高度診断ツール ADTi-100 および ADT View を使用することで、診断情報を取得できます。最高速度は 24m/s で最高分解能は 50nm です。また、さまざまな構成が可能であるため、簡単かつシンプルに最適化を実現できます。そして、動的信号処理により優れた信号の安定性が確保されるため、モーションコントロールシステムの性能を向上できます。
RTLC40 スケールとは
RTLC40 は、ユーザーが選択可能な IN-TRAC リファレンスマークを実装し、40µm ピッチのインクリメンタル目盛りが刻まれた薄型のステンレススチールテープスケールです。精度としては、標準の±15µm/m と高精度の±5µm/m の 2 種類があります。どちらも最大長は 10m です (10m 超も要望に応じ対応可)。取付け方法には 2 種類あります。どちらの方法でも、機材に影響されない熱膨張率を確保しつつ簡単に取り付けられます。
- FASTRACK™ スケールガイドシステムを使用するのが RTLC40 です。このシステムでは、取付け穴が不要で、短時間で簡単にスケールの経路を敷設できます。位置合わせのためのスペーサを外して、テープスケールを経路に挿入します。
- RTLC40-S の貼付けには、両面テープを使用します。両面テープは、機材に影響されない熱膨張率を維持できるように製造されています。
なお、どちらのスケールタイプにしても、1 箇所をクランプ固定して基準位置を配置して、取付けを完了します。
このエンコーダシステムのメリット
簡単取付け
機械の製造時間が OEM では重要です。コンポーネントの取付け時間短縮が、リードタイムの短縮、ひいては採算性の向上につながるためです。QUANTiC シリーズは、インクリメンタルエンコーダとしては取付け公差が広く (ヨー公差±0.9°、取付け高さの公差±0.2mm)、また、リードヘッドにセットアップ LED を内蔵しているため、こういったニーズを満たせます。取付け公差が広いことで取付け作業にかかる時間が短くなり、コスト削減と処理量拡大を両立できます。
多用途デジタル/アナログエンコーダシステム
QUANTiC には、業界標準の 1Vpp アナログ出力バージョンを用意しています。ユーザー側の内挿分割機器に簡単に組み込めます。また、デジタル出力バージョンも用意しています。デジタル出力バージョンとしては、モーションコントロールのニーズに応じた最適な速度と分解能を選定できるようさまざまな仕様をご用意しています。QUANTiC リードヘッドは、リニアシステム仕様とロータリシステム仕様の両方を展開しています。特に大量生産ラインでの使用に適したエンコーダです。
汚れに対する優れた耐性
QUANTiC は、先進的な設計で、汚れや異物に対する優れた耐性を有しています。また、スケール周期値を平均して、汚れなどの非周期性の特徴を効果的に除去する、オプティカルフィルタ機構を備えています。さらに、オートゲインコントロール、オートオフセットコントロール、オートバランスコントロールなどの各種の電子信号処理アルゴリズムにより、測定信号をさらに強化しています。また、信号フィルタリング機能を備えており、スケール上の汚れに起因する非ハーモニック信号周波数を排除します。これらの信号処理機能が組み合わさることで、周期誤差と信号レベルの変化を低減しています。
高度診断ツール ADTi-100 (アクセサリ)
QUANTiC は、高度診断ツール ADTi-100 とソフトウェアの ADT View に対応しています。取付けや診断が難しい場合に役に立つ、エンコーダのさまざまなデータをリアルタイムで取得できます。またソフトウェアは直感的に使用できるインターフェースになっています。
- リモートキャリブレーション
- 軸のフルストロークにわたる信号の最適化
- リードヘッドピッチの表示
- リミットおよびリファレンスマーク位置の表示
- エンコーダ位置をデジタル表示 (スケールに対する相対位置)
- 時間 v.s. 速度グラフのモニタリング
- データのエクスポートと保存
技術仕様
対応スケール | RTLC40/FASTRACK: ガイド固定とステンレススチールテープスケール RTLC40-S: FASTRACK を使用せずに機材に直接取り付ける、両面テープ式ステンレススチールテープスケール |
リードヘッドサイズ (長さ×幅×厚さ) | 35mm×13.5mm×10mm |
スケールピッチ | 40µm |
熱膨張率 (20℃時) | 10.1±0.2µm/m/℃ |
精度等級 (20℃時) | 40µm (高精度): ±5µm/m |
リファレンスマーク | RTLC40 または RTLC40-S に埋め込まれた IN-TRAC リファレンスマーク 複数のリファレンスマークから使用するリファレンスマークをセレクタで選択 |
リミットスイッチ | デュアルリミット |
スケール長 | FASTRACK: 100mm~25,000mm RTLC40/RTLC40-S: 20mm~10,000mm (>10,000mm 超も対応可) |
最高速度 アナログ デジタル | (詳細はデータシート参照) 最高 20m/s 最高 24m/s |
周期誤差 アナログ デジタル | 平均<±120nm 平均<±80nm |
動的信号制御 | オートゲインコントロール、オートバランスコントロール、オートオフセットコントロールなどのリアルタイム信号適正化処理 |
インクリメンタル信号 アナログ デジタル | 1Vpp (40µm) RS422 (10µm~50nm) |
電気接続 アナログおよびデジタル | ケーブル長 0.5m、1m、1.5m、3m: D サブコネクタ (9 ピンと 15 ピン) または円形インラインコネクタ (12 ピン) |
電気接続 デジタルのみ | ケーブル長 0.5m、1m、3m: JST 14 ピンコネクタ |
電源 アナログ デジタル | 5V-5%/+10% 平均 150mA 完全終端 ケーブル長 ≤3m: 平均 200mA (終端時) |
振動 (動作時) | 最大 100m/s2@55Hz~2,000Hz、3 軸 |
衝撃 (動作) | 500m/s2、11ms、½ sine、3 軸 |
動作時温度 | 0℃~+70℃ |
防水防塵性能 | IP40 |
詳細については、データシートを参照してください。