TONiC™ FS インクリメンタルエンコーダシステム with RTLC20 リニアスケール
機能
- リードヘッドサイズ: 35×13.5×10mm
- 最高速度 10m/s
- 脱着可能アナログインターフェース (Ti) と、デュアルアウトプットインターフェース (DOP)*
- 準拠規格:
ISO 13849 カテゴリ 3 PLd
IEC 61508 SIL2
IEC 61800-5-2 SIL2
メリット
- 使い勝手がよく、頑丈なテープスケール
- ガイド式のスケールシステムで、スケールの簡単な取付けと交換が可能
- コンパクト
- 高度な信号処理によりモーションコントロール性能を向上
- 汚れに対する高い耐性
- 超低周期誤差: 平均±30nm 未満
- 診断キット
TONiC FS とは
TONiC FS はレニショーのコンパクトな非接触式エンコーダシステムです。最高速度は 10m/s で、DOP インターフェースと組み合わせた場合、リニアおよびロータリシステムとしての最高分解能は 1nm です。取付け公差が広く、ボタン 1 個でキャリブレーションを行えるため、短時間で簡単に取り付けられます。また、動的信号処理により、平均周期誤差±30nm 未満という優れた信号の安定性を確保し、優れたモーションコントロール性能を実現します。機能安全のための SIL2 および PLd に、準拠しています。
*アナログサインおよびコサイン出力のみが、機能安全です。
RTLC20 スケールとは
RTLC20 は、ユーザー側で位置選択可能な IN-TRAC リファレンスマークを実装し、20µm ピッチの目盛りが刻まれた薄型のステンレススチールテープスケールです。精度は±5µm/m で、最大長は 10m です (10m 超も要望に応じ対応可)。取付け方法には 2 種類あります。どちらの方法でも、機材に影響されない熱膨張率を確保しつつ簡単に取り付けられます。
RTLC20 には、画期的な FASTRACK™ スケールガイドシステムを使用できます。このシステムでは、取付け穴が不要で、短時間で簡単にスケールの経路を敷設できます。位置合わせのためのスペーサを外して、テープスケールを経路に挿入します。
RTLC20-S は両面テープで機材に固定します。両面テープは、機材に影響されない熱膨張率を維持できるように製造されています。
なお、どちらのスケールタイプにしても、1 箇所をクランプ固定して基準位置を配置して、取付けを完了します。
このエンコーダシステムのメリット
機能安全認定
TONiC FS は、下記の機能安全規格に準拠した、オープンタイプ光学式インクリメンタルエンコーダシステムです。
ISO 13849 カテゴリ 3 PLd
IEC 61508 SIL2
IEC 61800-5-2 SIL2
安全制限速度などの機械の安全機能の中には、エンコーダからのフィードバックに、機能上の安全性を求めるものがあります。安全性規格の認証を受けたエンコーダを採用することで、機械の認証を大幅に簡素化できます。高度な機械安全機能を採用することで、セットアップ時間やダウンタイムを短縮する高度な機能性を備えた、安全性の高い機械を製造できるようになります。
高い測定パフォーマンス
TONiC には、市場で高く評価されているフィルタリング機構と信号処理機能が組み込まれています。オートゲインコントロール (AGC) と オートオフセットコントロール (AOC) という機能によって、アナログ信号のノイズやリードヘッド内のデジタルジッタを低減します。
ジッタ <±0.5nm RMS、周期誤差 <±30nm とそれぞれ極めて低く抑えられているため、位置精度が高く、リニアモータでの発熱量の低減に貢献します。また、ジッタが低いため、低速で高精度が求められる用途で、よりスムーズな速度制御が可能になるというメリットも期待できます。
柔軟な構成
TONiC には、速度や分解能を柔軟に選択できるよう、インターフェースを幅広く用意しています。後半の工程で組み込む場合や外部インターフェースを使用する場合、エンドユーザー側でのカスタムに TONiC リードヘッド 1 個で柔軟に対応できます。
TONiC インターフェースの種類としては、デジタル出力、アナログ出力、デジタル/アナログ出力をご用意しています。TD インターフェースでは 2 種類の分解能を切替え可能で、DPI インターフェースでは幅広いフォーマットの印刷用途に対応しています。多種多様な構成に対応できる TONiC の柔軟さは、OEM 各社が高度なモーションコントロールや高い処理量を実現するうえで有効と言えます。
対応インターフェース
Ti インターフェース
- アナログ出力と、CAL ボタン搭載。
DOP (デュアル出力) インターフェース
- デジタル信号と 1Vpp のアナログ信号を同時出力
- 移動軸と複数動作を同期させる用途向けに設計
診断キット (アクセサリ)
TONiC 診断ソフトウェアは、TONiC エンコーダの取付けの最適化、システムキャリブレーションに使用するソフトウェアです。ただし、TONiC 診断用ハードウェアと一緒に使う必要があります。このハードウェアの購入については、レニショーまでお問い合わせください (パーツ No. A-9411-0011)。ハードウェアは、USB ケーブル (キットに付属) で PC に接続するか、エンコーダの接続先機器を介して接続できます。
TONiC 診断キットの詳細をご覧ください。
技術仕様
対応スケール | RTLC20/FASTRACK: ガイドシステムとステンレススチールテープスケール RTLC20-S: FASTRACK を使用せずに機材に直接取り付ける、両面テープ式ステンレススチールテープスケール |
リードヘッドサイズ (長さ×幅×厚さ) | 35mm×13.5mm×10mm |
スケールピッチ | 20µm |
熱膨張率 (20℃時) | 10.1±0.2µm/m/℃ |
精度等級 (20℃時) | ±5µm/m |
リファレンスマーク | RTLC20 または RTLC20-S に埋め込まれた IN-TRAC リファレンスマーク 複数のリファレンスマークの識別にはセレクタを使用 |
リミットスイッチ | デュアルまたはシングルリミット (発注時に選択) |
スケール長 | FASTRACK: 100mm~25m RTLC20 と RTLC20-S: 最長 10m (10m 超も対応可) |
最高速度 アナログ デジタル (*DOP と使用時) | (詳細はデータシート参照) -3dB で最高 10m/s 最高 10m/s |
周期誤差 | 平均 <±30nm |
動的信号制御 | オートゲインコントロール、オートオフセットコントロールなどのリアルタイム信号処理で、動作中にパフォーマンス最適化 |
インクリメンタル信号 アナログ デジタル (*DOP と使用時) | 1Vpp (20µm 周期) 分解能 5µm~1nm |
電気接続 | ケーブル長 0.2m、0.5m、1m、1.5m、3m、5m、6m、10m: ミニコネクタ (TONiC インターフェースに直接接続) |
電源 | 5V±10% |
振動 (システム) | 最大 100m/s2@55Hz~2,000Hz、3 軸 |
衝撃 (システム) | 500m/s2、6ms、½ sine、3 軸 |
動作温度 (システム) | 0℃~+70℃ |
防水防塵性能 | リードヘッド: IP40 |
*アナログサインおよびコサイン出力のみが、機能安全です。
詳細については、データシートを参照してください。