機械のキャリブレーションのための XL-80 レーザー干渉計システム
XL-80 レーザー干渉計システムは、三次元測定機や工作機械などのモーションシステムに最適なソリューションです。高性能な測定とキャリブレーション精度を手軽に実現します。
レーザー干渉計とは
レーザー干渉計とは、機械のパフォーマンスを評価し、改善するために使用する測定機器です。極めて安定したレーザービームを使って、モーションシステムに含まれる問題が実際の生産に影響を及す前に、それらの問題を検出します。XL-80 レーザーシステムは、レーザートラッカシステムとは異なり、幾何誤差を単独で測定します。
読取り速度は 50kHz で、位置決め測定の最大速度は 4m/s です。最高速度でも、1nm の位置決め分解能を維持します。位置決め以外の測定も干渉法に基づいて測定するため、極めて高い精度を誇ります。
当社は、35 年以上にわたってレーザーシステムの設計、製造および販売を行ってきました。高度なシステム性能と優れた操作性を提供すべく、その長年にわたる技術と経験を基に開発されたのが XL-80 レーザー干渉計システムです。
レーザー干渉計のメリット
XL-80 レーザーシステムは主に、工作機械、三次元測定機およびモーションシステムのパフォーマンスの測定に使用します。機械の精度を確保できるだけでなく、最終製品に影響が出る前に潜在的な問題を特定することができます。
他のシステムとは異なり、XL-80 は機械に含まれる幾何誤差を直接測定できるため、誤差の原因の特定や検出に役立つトレーサブルで高精度なデータを取得することができます。取得したデータはさらに、機械の組立て作業の調整や誤差補正に活用でき、ひいては全体的な精度の向上につながります。さらに、XL-80 を用いたテストは、改善結果の検証や仕様への適合確認にもなるため、高精度を求める産業分野にとって非常に価値の高いツールと言えます。
XL-80 とレニショーの CARTO ソフトウェアを組み合わせることで、位置決め、角度、回転、真直度、直角度などさまざまな要素を迅速かつ正確に取得、解析できます。
主な特長

高精度
XL-80 は、英国国内規格と国際規格にトレーサブルな波長を持つ、極めて安定性が高いレーザービームを照射します。

シンプルセットアップ
信号強度を示す LED など、XL-80 にはセットアップを簡単に行うための機能や特徴が搭載されています。また、CARTO は直感的に操作可能なインターフェースを備えており、使いなれていなくてもデータの取得や解析作業を行えます。

持運びが容易
XL-80 レーザーシステムと XC-80 環境補正ユニットはコンパクトで、キャスタ付きのケースにまとめて収納することができます (重量 12kg)。オプションの三脚は、ファブリックケースに入れて一緒に持運びできます。

完全な信頼性
レニショーは高品質の設計、製造、およびテクニカルサポートで定評を得ています。XL-80 には標準で 3 年保証が付随します。また、グローバルにサポートを提供しております。

レニショーさんの XL-80 にはたくさんの利点があります。操作しやすいですし、セットアップが簡単です。それに、ソフトウェアも使い勝手に優れています。以前使っていたレーザーシステムと比べて、3 割ほど効率化が進みました。
Beijing U-Precision Tech 社 (中国)
特徴とメリット
レーザー周波数確度 - レーザーチューブを温度制御することでナノ単位の公差に保ち、3 年間にわたって±0.05ppm を確保。
位置決め測定精度 - 全環境範囲において±0.5ppm。最高 50kHz のサンプリングレートで測定可能。また、位置決め測定は最高速度 4m/s、位置決め分解能 1nm で実施できます。
アナログ入出力ポート - アナログ信号出力とトリガー信号入力に対応。
位置決めの測定範囲 - 80m まで測定可能。


環境補正で精度をさらに向上
温度、気圧、相対湿度が変化すると、レーザービームの波長と測定値に影響が出ます。
XL-80 での位置決め測定に XC-80 環境補正ユニットも使うことで、精度向上の効果が期待できます。
XC-80 がセンサーからの読取り値を基にレーザー波長の公称値を真の値に補正するため、これらの条件の変化から発生する測定誤差をほぼ排除します。
CARTO による機能拡張
CARTO は、データ取得用の Capture、解析用の Explore、誤差補正用の Compensate から構成されるソフトウェアです。
活用の幅が広がるよう、定期的にアップデートしています。
- データスティッチ測定 - 長軸を分割して測定するための機能です。高性能なショートレンジの真直度用オプチカルキットを長軸に使用できるようになります。
- ピッチ補正 - 位置決め、真直度、回転軸の補正テーブルを簡単に更新します。コントローラが対応している必要があります。
- ターゲットのレーザーの位置、環境データ、タイムスタンプ - すべて CARTO に保存されるため、詳細な誤差診断や解析が可能です。
測定用のアクセサリ、光学部品、ソフトウェア

回転軸測定
XL-80 レーザー干渉計を XR20 回転軸割り出し角度測定装置と組み合わせることで、CARTO を使って回転軸を測定し、データを解析することができます。また、CARTO のオフアクシスロータリ測定モードを使用することで、回転軸の中心に取り付けられなくても測定が可能です。

システムの取付け
XL-80 にはさまざまな取付け用アクセサリをご用意しています。三脚や三脚ステージ、マグネットベース、各種フィクスチャなど、適宜ご活用ください。

測定用光学部品
位置決め、ピッチ、ヨー、水平方向と垂直方向の真直度の測定用に各種キットやアクセサリをご用意しています。また、平面度と直角度を測定するためのキットもご用意しています。

特殊なテスト
レーザーによる対角線試験用の位置決め対角線計測キットや、XL-80 を遠隔でトリガーするための TB20 をご用意しています。レーザー測定システムの活用の幅が広がります。

安全な持運び
軽量さと頑丈さを兼ね備えたレニショー製ケースで、安全な持運びが可能です。さまざまなシステム構成に対応できるよう設計されており、安心して XL-80 を保管できます。

QuickViewXL™ ソフトウェア
QuickViewXL™ は、研究開発の現場やその場での解析に理想的なツールです。モーションシステムの迅速な調査や解析を可能にします。シンプルで図やアイコンが豊富なインターフェースを実装しているため、測定目標や手順を事前に設定しておく必要がありません。
FAQ
XL-80 レーザー干渉計は定期的に再校正する必要がありますか。
はい。通常環境下で使用した場合の XL-80 の推奨校正期間は 3 年です。詳細については、キャリブレーションのサービス、修理、再校正をご覧ください。
レーザー測定はトレーサブルですか。また、精度について教えてください。
光の波長は国際的に認められた長さの単位であるため、レーザーによる測定はトレーサビリティが確保されています。そのため、環境補正を適用することで、極めて高い繰り返し再現性と精度 (<1ppm) を実現できます。
三次元測定機用のキャリブレーションツールはありますか。
はい、レーザーキャリブレーション製品で三次元測定機の空間誤差のマッピングが可能です。XM-600 マルチアクシスキャリブレータのご利用をご検討ください。