光学式エンコーダのよくある質問 (FAQ)
全般
レニショーエンコーダの保証内容について教えてほしい。
すべてのレニショーエンコーダ製品 (光学式、レーザー式、電磁誘導式、磁気式) には 2 年間の保証が付随します。また、RBE (Repair-By-Exchange: 代替品交換による修理) プログラムを通じて、機械の停止時間を最低限に抑えていただけるように、各国の在庫から直ちに製品を交換するサービスを提供しています。
レニショーでは、製品の高い品質をどのように確保していますか。
レニショーでは、PCB のアセンブリから本体の加工、ケーブルの取付け、最終的なリードヘッドの取付け/テストにいたるまで、すべての主要製造段階を社内で行っています。他のエンコーダメーカーとは異なり、スケールも内製しています。このような理念により、すべての段階で製品品質を完全に管理しています。
レニショーエンコーダは、標準品以外の購入が可能ですか。
レニショーのエンコーダは、ケーブル長や取付け方法、シリアルインターフェース、シャフトサイズ、分解能、接続方式など幅広くご用意しています。多くのニーズにお応えできる仕様をラインナップしてありますが、標準品にない仕様をご希望の場合は、最寄りのレニショーオフィスまでお問い合わせください。
オープンタイプ光学式エンコーダ
RESOLUTE™ は、SSI プロトコルに対応していますか。
RESOLUTE は SSI に対応していません。SSI は、データの整合性チェックに対応していない、非常にシンプルなシリアル通信プロトコルです。SSI の代わりに、RESOLUTE は「BiSS® C 単一方向」という同等のプロトコルに対応しています。BiSS C も SSI 同様にシンプルなプロトコルですが、レポート誤差と警告情報が追加されており、CRC (巡回冗長検査) により位置決めデータの損傷を保護することで、予期せぬ軸移動のリスクを回避します。
レニショーのオープンタイプ光学式エンコーダのシリーズにはどのように違いがありますか。
ATOM™、ATOM DX™、TONiC™、VIONiC™、QUANTiC™、RESOLUTE™ および EVOLUTE™ エンコーダシリーズの違いについては、オープンタイプ光学式エンコーダ比較表をご覧ください。
スケール
光学式エンコーダ用の各スケールの特徴について教えてください。
レニショーでは、光学式エンコーダ用として、リニア、ロータリ、パーシャルアークおよび マルチ DoF といった各種スケールをご用意しております。
- リニアエンコーダ: X、Y または Z 軸といった直線状の動作の測定に使用します。
- ロータリエンコーダ: 角度位置決め情報と回転要素のモーションコントロールに使用します。
- パーシャルアークエンコーダ: シャフトなどに巻き付けて、360°一周未満の回転の測定に使用します。
- マルチ DoF エンコーダ: 精密モーションシステムでの複数自由度の測定に使用します。
光学式エンコーダ用スケールはどのように使い分ければよいですか。
リニアスケール: X、Y、Z 軸の、直線状の位置情報が必要な場合に使用します。CNC 機械、三次元測定機および半導体製造、印刷機または産業オートメーション用の精密ステージで使われています。
ロータリスケール: 角度位置決め情報と回転要素のモーションコントロールに使用します。ロボットの関節、医療機器や科学分野、ウェハハンドリング機器、ジンバル、アンテナ、望遠鏡、サーボモータなどで使用されています。
パーシャルアークスケール: シャフトなどに巻き付けて、360°一周未満の回転の測定に使用します。ワイヤボンダ、同期型ミラーベンダ、産業オートメーションなどで活用されています。
マルチ DoF エンコーダ: 精密モーションシステムでの複数自由度の測定に使用します。半導体業界で用いられる XY ステージなどのような極めて動的な条件では、求められる品質と生産性を満たすためには極めて厳しい絶対精度と繰り返し精度が要求されます。
各スケールの材質と、取付け方法について教えてください。
リニアスケール、パーシャルアークスケール、ロータリスケールおよびマルチ DoF スケールの材質と取付け方法は以下のとおりです。
| 運動形態 | スケールタイプ | 材質 | 取付け方法 |
| リニア | RTL (ステンレススチールテープ) | ステンレススチール | FASTRACK™ または両面テープ |
| リニア | RCL (ガラススケール) | ソーダ石灰ガラス | 両面テープ |
| リニア | REL (ZeroMet™ スケール) | ZeroMet (ニッケルと鉄の低熱膨張率を有する合金) | 両面テープまたはクリップ/クランプ |
| リニア | RSL (ステンレススチール) | ステンレススチール | 両面テープまたはクリップ/クランプ |
| リニア | RKL (スリムステンレススチールスケール) | ステンレススチール | 両面テープ |
| パーシャルアーク | RKL (スリムステンレススチールスケール) | ステンレススチール | 両面テープ |
| ロータリ | RES (ステンレススチールリング) | ステンレススチール | テーパー固定または締まり嵌め固定 |
| ロータリ | REX (超高精度ステンレススチールリング) | ステンレススチール | フランジ固定 |
| マルチ DoF | RXMA (1.5D ガラススケール) | 低熱膨張率のガラス | 両面テープとエポキシデータム |
温度変化が大きい環境に最適なリニアスケールはどれですか。
温度変化が大きい環境では、取付け先の機材の熱膨張特性に従う RKL が最適です。レニショーのエンコーダスケールごとの熱変位について、以下の比較表に記載します。詳細については、ホワイトペーパー「最適な熱的性能を実現するスケール取付け」をご覧ください。
| スケールタイプ | 材質/熱膨張率 | 取付け方法 | 熱特性 | ヒステリシスのリスク |
| RKL (スリムステンレススチールスケール) | ステンレススチール | 両面テープ + エポキシクランプ | 機材で制御 | なし |
| REL (ZeroMet スケール) | 低熱膨張率のスチール | クリップまたは両面テープ | 良好、不一致ほぼなし | 低 (テープ使用時) |
| RSL (ステンレススチール) | ステンレススチール | クリップまたは両面テープ | 許容レベル、中程度の不一致 | 低 (テープ使用時) |
| RTL (ステンレススチールテープ) | ステンレススチール | FASTRACK または両面テープ | 機材からの独立により、不一致を軽減 | 低 (テープ使用時) |
インクリメンタルスケールには 20µm ピッチと 40µm ピッチとがありますが、それぞれの特徴と使い分けを教えてください。
光学式インクリメンタルエンコーダシステムのスケールピッチには、20µm と 40µm があり、システムごとに選定します。一般的に、スケールピッチが大きいと、取付け公差が広くなり、高速動作が可能になります。スケールピッチが小さいと、分解能が高くなり、周期誤差が低くなります。
マルチ DoF スケールは、350mm 以上の長さを発注できますか。
はい、カスタムスケールとして承ります。標準の RXMA マルチ DoF スケールの最大長は 350mm ですが、1m を超える長さをご購入いただいた実績があります。
クローズドタイプ光学式エンコーダ
工作機械のエアブローの量を減らす最も良い方法は何でしょうか。
FORTiS™ と低流量のエアパージ戦略を組み合わせ、汚染リスクや機械レイアウトに応じて圧力を調整することです。信頼性を維持しつつ、大幅な省エネを実現できます。
詳細については、アプリケーションノート「FORTiS™ でエアブローの使用量削減で、91%の省エネ効果」をご覧ください。
FORTiS™ を最も短時間で取り付ける方法は何ですか。
FORTiS のアライメントと取付けについては、こちらの動画をご覧ください。
既存のシステムから、どのくらい簡単にレニショーのクローズドタイプエンコーダに置き換えられますか。
FORTiS™ は既存のリニアガラススケールがあった箇所に、そのまま簡単に取り付けることができます。ボルトの位置が同じなため、同じリードヘッドブラケットに取り付けることができ、現場で簡単に置き換えることができます。
診断
取付け時に診断ツールを使うと、どんな点が便利ですか。
レニショーの光学式エンコーダにはセットアップ LED が内蔵されており、通常はこの LED を参照するだけで取付けができます。取付け中の信号強度を黄色や緑で示し、キャリブレーション作業については青色で示します。
取付けが難しい状況で使用するのが高度診断ツールです。信号強度やリサジュ、警告ログやエラーログといった情報をリアルタイムに取得できます。
例えば、エンコーダが機械内の手が届かない場所にある場合や、システムをクリーンルームや超高真空環境に配置している場合に、高度診断ツールは特に便利です。生産現場における厳格なアクセスコントロールにも準拠しているため、作業現場に持ち込むこともできます。
詳細については、こちらのページをご覧ください。
環境要件
レニショーの光学式エンコーダの汚れやオイルに対しての耐性を教えてください。
レニショーのクローズドタイプ光学式エンコーダには DuraSeal™ リップシールが組み込まれており、このシールに対して、炭化粒子と鉄の削りくずを混ぜたグリースで 1,400 万サイクルの摩耗テストを実施しています。DuraSeal があることで、リードヘッドの光学部品を保護しているリードヘッドブレードの周辺の確実な密封性が長期間確保されます。詳細については、FORTiS™ クローズドタイプエンコーダのテストのページをご覧ください。
ATOM™、TONiC™、VIONiC™ および QUANTiC™ といったオープンタイプインクリメンタルエンコーダには、オプチカルフィルタ機構が組み込まれており、ある程度のグリースやオイルによる汚れに対して耐性を確保しています。唯一のデメリットとして、インクリメンタル信号の振幅が低くなりますが、AGC 機能で補正できます。
レニショーの光学式エンコーダの振動耐性はどの程度ですか。
レニショーのクローズドタイプ光学式エンコーダには同調質量ダンパーが搭載されており、30G までの振動に耐えることができます。詳細については、FORTiS™ クローズドタイプエンコーダのテストのページをご覧ください。
オープンタイプ光学式エンコーダの振動耐性は以下のとおりです。
- VIONiC™、TONiC™、QUANTiC™、ATOM™、ATOM DX™: サイン波最大 100m/s²@55Hz~2,000Hz、3 軸
- RESOLUTE™、EVOLUTE™: サイン波最大 300m/s²@55Hz~2,000Hz、3 軸
取付け
スケールやリードヘッドのクリーニングに使用できる溶剤は何ですか。
推奨するクリーニング剤は、使用しているエンコーダシステムによって異なり、システムのインストレーションガイドに詳細を説明しています。
テープスケールを剥がして再利用することは可能ですか。
できません。一旦スケールを外すと、両面テープの粘着性が失われます。また、スケールを剥がすことで、スケールを損傷したり、その測定性能に影響が出るおそれがあります。
レニショーリードヘッドのコネクタのピン出力は?
アナログやデジタル出力のリードヘッドとインターフェースに使用される一般的な D サブ 15 ピンコネクタのピン出力を、可能な限り標準化しています。さらに、その他のタイプのコネクタも、できる限り業界標準のピン出力にしています。レニショーエンコーダシステムのピン出力は、各システムのインストレーションガイドに記載してあります。
レニショーエンコーダには、オス型およびメス型のコネクタが使用されていますか。
原則として、エンコーダからのインクリメンタル信号の出力にオス型コネクタを使用し、エンコーダからのインクリメンタル信号の受信に (中間インターフェースなどで) メス型コネクタを使用しています。コネクタタイプ、およびオス型またはメス型のどちらを使用しているかは、システムのインストレーションガイドをご覧ください。
光学式エンコーダのコネクタにはどんなタイプがありますか。
レニショーの光学式エンコーダには、以下のコネクタをご用意しております。
オープンタイプ光学式エンコーダ
D サブ 9 ピンコネクタ
D サブ 15 ピン (標準ピン配列)
D サブ 15 ピン (代替のピン配列)
円形 12 ピンコネクタ
JST 14 ピンコネクタ
クローズドタイプ光学式エンコーダ
M12 8 ピン
FANUC 20 ピン
Mitsubishi 10 ピン
M23 17 ピン
D サブ 9 ピン
LEMO 14 ピン
フライングリード
詳細については、各エンコーダのデータシートまたはインストレーションガイドを参照してください。
エンコーダが正常に機能しているかどうかを確認するには、どうしたらよいですか。
エンコーダは、リードヘッドやインターフェースにセットアップ LED が内蔵されています。この LED でリードヘッドの電源の状態と、エンコーダセットアップの水準を確認できます。具体的なシステムの詳細については、インストレーションガイドを参照してください。
リードヘッドケーブルの外部および内部シールドをシングルシールドの延長ケーブルに接続するには、どうしたらよいですか。
下図のように、リードヘッドケーブルの内部シールドは、中間コネクタ内の 0V ラインに接続し、リードヘッドケーブルの外部シールドは、コネクタの (金属製/伝導性) シェルを介して、延長ケーブルのシールドに接続する必要があります。外部シールドは、コネクタ周囲のリードヘッド本体から客先機器まで連続遮蔽層を形成する必要があります。

1.リードヘッド
2.内部シールド
3.外部シールド
4.コネクタ
5.シングルシールドの延長ケーブル
6.接続機器
7.出力信号
リードヘッドケーブルの屈曲寿命は?
すべてのリードヘッドケーブルの屈曲寿命は、>20×106 サイクルでテストが行われています。
ケーブルの直径に応じて、ケーブルの屈曲寿命は 20mm か 50mm の曲げ半径でテストされています。各エンコーダシステムのインストレーションガイドを参照してください。
信号の歪みを伴わない延長ケーブルの最大長は?
具体的なシステムの延長ケーブル長については、インストレーションガイドを参照してください。
レニショーエンコーダシステムのキャリブレーションを行う必要はありますか。
レニショーインクリメンタルエンコーダでは、電源 ON 直後からインクリメンタル位置信号が出力されますが、最適なパフォーマンスを確保するためにリファレンスマークはキャリブレーションする必要があります。具体的なシステムの詳細については、インストレーションガイドを参照してください。
ATOM DX™ の上面接続タイプのコネクタは何ですか。
JST 10 ピンです。はめ合わすコネクタは 10SUR-32S です。
上面接続タイプ用のケーブルをレニショーから購入できますか。
はい。コネクタタイプとしては D サブ 15 ピンと JST 10 ピン (SUR) の 2 種類、長さとしてはそれぞれに、0.5、1、1.5 および 3m の 4 種類をご用意しております。パーツ No. については、ATOM DX データシートを参照してください。
レニショーのリードヘッドとスケールを最も早く簡単に取り付ける方法について教えてください。
該当のエンコーダシステムのインストレーションガイドと取付け動画をご覧ください。
また、高度診断ツールのご使用もご検討ください。
技術、機能
光学式エンコーダの概要と仕組みについて教えてください。
エンコーダとは、情報をあるフォーマットまたはコードから別のフォーマットまたはコードに変換する電子機器のことを言います。レニショーなどが製作している位置決めエンコーダは、直線運動または回転運動を電気信号に変換し、位置、移動方向に関する情報を提供します。
位置決めエンコーダにはさまざまな検出技術が用いられており、レニショーは光学式、電磁誘導式およびレーザー式のエンコーダを得意としています。また、レニショーの関連会社である RLS は、磁気式エンコーダを専門に扱っています。
詳細については、エンコーダシステムの概要をご覧ください。
アナログエンコーダとデジタルエンコーダの違いについて教えてください。
インクリメンタルエンコーダはアナログ信号またはデジタル信号で位置情報を出力します。デジタル信号は、リードヘッド内部または外部のインターフェースユニットで生成されます。
アナログ出力 (または外部インターフェースからのデジタル出力) は、互いに 90°位相がずれた正弦波信号と余弦波信号で構成されます。これらの信号はアナログ矩形波信号と呼ばれ、さまざまなドライバやコントローラで読み取ることができます。アナログ出力を外部インターフェースユニットに入力することで、デジタル出力を生成することができます。外部インターフェースユニットを使用することで得られるメリットは以下のとおりです。
- 非常に細かい内挿分割 (分解能 2nm または 1nm)
- 一部のインターフェースにはセットアップ LED が搭載されています (リードヘッドが見えない場所やアクセスできない位置にある場合でも、インターフェースの LED から信号強度を確認できます)
デジタル信号は、アナログ信号を 2 点のデジタル矩形波に変換することで生成されます。これらの波は互いに 90°ずれており、元のアナログ信号よりもはるかに短い周期を持ちます。デジタル矩形波信号とも呼ばれ、さまざまなドライバやコントローラで読み取ることができます。
矩形波出力とは何ですか。
矩形波出力とは、相対的な位置移動および方向情報を提供する信号形式です。矩形波という用語は、アナログ信号とデジタル信号のいずれにも適用されます。
アナログ矩形波
最もシンプルで汎用性の高いインクリメンタル位置信号は、通常 1Vpp の正弦波電圧信号と、それに対応する 90°位相がずれた余弦波信号から構成されます。これらの信号はアナログ矩形波信号と呼ばれ、さまざまなドライバやコントローラで読み取ることができます。
デジタル矩形波
デジタル信号は、アナログ信号を内挿して、90°の位相差を持つ 2 点のデジタル矩形波を生成することで形成されます。これらの信号は、元のアナログ正弦波信号よりもはるかに短い周期を持ちます。デジタル矩形波信号とも呼ばれ、さまざまなドライバやコントローラで読み取ることができます。
クロック出力のデジタルエンコーダシステムで、論理スピードと達成可能な最大スピードに差があるのはなぜですか。
クロック出力システムには、受信側機器の推奨カウント周波数として、クロック周波数を記載しています。これは、安全係数が加算されているために、エンコーダの実際のクロック出力周波数より大きくなります。この安全係数は、クロックオシレータ公差、ラインドライバ、ケーブルとライン受信機スキュー、周期誤差、ジッタを考慮しています。これらの要因はすべて、論理上完璧なシステムに対して計算されるインクリメンタル信号の最低エッジ間隔を低下させる原因になります。
例えば、20MHz の Ti TONiC™ インターフェースの実際のクロック出力は 15MHz で、分解能 0.1µm のエンコーダでは最大スピードが 1.35m/s になります。このシステムの論理上の最大スピードは 1.5m/s ですが、上のような理由からこのスピードは実現できません。
エンコーダのクロック出力に関係なく、アナログ信号の帯域幅によっても、最大速度が上限に制限されることになります。TONiC システムでは、この上限が 10m/s です。
「クロック出力周波数」とは何ですか。また、どうしたら適切なクロック周波数を選択できますか。
「クロック出力周波数」により、エンコーダが出力できる最大周波数を制限します。出力周波数を制限しないと、最大入力周波数を超過した場合に、受信側機器で誤カウントが発生します。これは、エンコーダが静止状態 (または超低速での移動中) に、出力状態が急速に変化することが考えられる状況で特に重要です。クロック出力周波数は、受信側機器の最大入力周波数以下に設定する必要があります。なお、入力周波数よりも大幅に低いクロック周波数を選択した場合は、エンコーダの最大スピードが制限されます。
レニショーは、超ファインピッチ (<4µm) のスケールを使用するインクリメンタルエンコーダシステムを製造していますか。
当社では、スケールピッチ 20µm および 40µm のインクリメンタルエンコーダを製造しています。当社が製造するエンコーダよりも細かいピッチのエンコーダシステムも市場にはありますが、ピッチが細かければ全体的なパフォーマンスが高まるというわけではありません。ピッチが細かくなるほど、セットアップの複雑化、速度への制限、汚れに対する耐性の低下が伴う場合があります。レニショーの多くのエンコーダシステムは、効果的なインクリメンタル信号処理技術を採用することで、ファインピッチシステムに匹敵する分解能と精度、周期誤差を実現しています。
例えば VIONiC™ シリーズには、市場で高く評価されているオプチカルフィルタ機構と信号処理技術が組み込まれており、極めて低い周期誤差、優れた汚れ耐性そして高速動作を実現しています。
絶対フィードバックが求められる場合には、RESOLUTE™ の高速性、超低ジッタ、高分解能で誤差率を低く抑えながら高スループットを実現できます。精密測定を要する製造では、これらのエンコーダを直線軸、回転軸または部分円弧軸に適用することで対応できます。
高度なサーボ制御アルゴリズムにより、超微細ピッチ製品に相当する実効ジッタを実現できることを示した、レニショーと ACS の試験をご確認ください。
アブソリュートエンコーダとインクリメンタルエンコーダはどう使い分ければよいですか。
アブソリュートエンコーダとインクリメンタルエンコーダはどちらも、位置測定やモーションコントロールに幅広く活用されています。ですが挙動とパフォーマンスは若干異なります。
アブソリュートエンコーダ: 電源が OFF しているときでも、常に完全な位置情報を保持し続けます。また、動かさなくても、即座に位置情報を取得します。固定の基準位置への原点復帰が望ましくない外科手術ロボットや工作機械などで広く採用されています。
インクリメンタルエンコーダ: 直前の位置に対する動きを検出し、リードヘッド/スケールの移動に伴い、(方向に応じて) 位置を 1 カウントずつ増減して信号を出力します。一般的に、基準となる固定位置が必要です。この基準位置は、電源を OFF すると喪失します。工場の自動化、三次元測定機、半導体製造などで広く採用されています。
インクリメンタルエンコーダ信号には、どの程度のポジション (時間) 遅延がありますか。
インクリメンタルエンコーダシステムの時間遅延は、出力形式、光学ステージ、アナログ/デジタルエレクトロニクスステージ、ラインドライバ/受信機、ケーブル設計/長さなど、多くの要因に依存します。これらの値は既知ではありますが、文書化することは困難です。使用時のアドバイスについては、レニショーまでお問い合わせください。
レニショーのアブソリュートエンコーダが対応しているシリアルインターフェースは何ですか。
以下のシリアルインターフェース (プロトコル) に対応しています。
| 光学式エンコーダシリーズ | シリアルインターフェース |
| RESOLUTE™ | BiSS® C BiSS Safety FANUC Mitsubishi Panasonic Siemens DRIVE-CLiQ® Yaskawa |
| EVOLUTE™ | BiSS® C FANUC Mitsubishi Panasonic Siemens DRIVE-CLiQ® Yaskawa |
| FORTiS-S™ | BiSS® C BiSS Safety FANUC Mitsubishi Panasonic Siemens DRIVE-CLiQ® Yaskawa |
| FORTiS-N™ | BiSS® C BiSS Safety FANUC Mitsubishi Panasonic Siemens DRIVE-CLiQ® Yaskawa |
精度、分解能、繰り返し精度の違いについて、教えてください。
混同されやすい用語ですが、定義は以下のとおりです (用語集から抜粋)。
- 精度: 測定位置がどの程度真の値に近いかを表します。
- 分解能: エンコーダにより出力される最小測定ステップ。エンコーダが出力を 1 カウント変更するために移動する必要がある最小距離です。
- 繰り返し精度: 軸上の特定ポイントに到達するたびに、同じ位置を出力するエンコーダの能力。
ジッタと周期誤差の違いは何ですか。
混同されやすい用語ですが、定義は以下のとおりです。
- ジッタ: エンコーダが停止しているときにエンコーダから出力される位置データへのノイズの量。この値は通常 RMS 単位で表しますが、位置データへのノイズは多くの測定方法があり、測定の帯域幅が特に重要です。ジッタの低いエンコーダは、位置データの精度が高く、リニアモータで生成される熱量も低くなります。これにより、低速での速度制御がスムーズになります。
- 周期誤差: ひとつの信号周期内の測定誤差。この誤差は、エンコーダ出力信号のリサジュの形状またはセンタリングが不完全であることが原因で発生します。周期誤差はリニアモータや DDR モータの軸で速度リップルの問題を引き起こすことがあります。周期誤差が大きいと、耳に聞こえるようなノイズが軸に発生して、高温になることがあります。周期誤差が大きい場合は、工作機械で仕上げ面の質が低下し、スキャニング機ではイメージがぶれることがあります。
適用分野
レニショーのリードヘッドケーブルは、ケーブルを曲げる必要があるロボットへの使用に適していますか。
リードヘッドケーブルの最小曲げ半径 (それぞれのデータシートを参照) を超過しない限り、ケーブルの屈曲寿命は 2,000 万回となっています。なお、ケーブルは全長にわたって回転させる (ひねる) ような用途を前提として設計されていません。UHV リードヘッドケーブルは、損傷を避けるために、曲げないようにすることを推奨します。
機械のビルド時間が重視される量産 OEM 用途には、どのエンコーダが適していますか。
EVOLUTE™ リニアアブソリュートエンコーダは、微細分解能の真のアブソリュート位置測定に加え、広い取付け公差と優れた耐汚染性を備え、幅広い用途で高い計測性能を発揮します。
同様に、QUANTiC™ インクリメンタルエンコーダは、コンパクトなリードヘッドながら、優れた測定性能と非常に広い取付け公差を実現し、メーカーおよびシステムインテグレータ向けに設計されています。
どちらも、コンポーネントの取付け時間を短縮することで生産リードタイムを短縮し、最終的に採算性を高められるため、機械の組立て時間が重要な、量産 OEM の用途に最適です。
本ページに使用されている技術用語については、用語集を参照してください。
セールスチームに問合せ
詳細については、最寄りのレニショーオフィスまでお問い合わせください。